皆さんはスマホ決済や電子マネーを利用したとき、どのように家計簿をつければいいか迷ったことはありませんか。

これは、キャッシュレス決済特有の「後払い」や「前払い」といった支払方法の多さに起因しています。

しかし、現金のように目で見てわからないからこそ、キャッシュレス決済において家計簿をつけて収支を把握することはとても大切です。

そこで今回は、キャッシュレス決済を家計簿にわかりやすく記入する方法をご紹介します。

とても簡単なので、ぜひ最後まで読んで実践してみてください。

家計をキャッシュレス化した方がいい理由

「キャッシュレスは管理が難しそうだから現金払いにしている」という方もいらっしゃると思いますが、私は、苦手意識のある方もなるべく早くキャッシュレス決済を家計に取り入れることをおすすめします。

なぜなら、日本のキャッシュレス社会はこれからますます発展すると予想されるからです。

経済産業省の策定した「キャッシュレス・ビジョン(平成30年4月)」では、2025年までにキャッシュレス決済比率を40%、将来的には世界最高水準の80%を目指すとされています。

また、一般社団法人キャッシュレス推進協議会策定の「キャッシュレスロードマップ2019」では、2027年を目安としたキャッシュレス社会の将来像の一つに「キャッシュレスで支払うとお得になる価格設定がなされる」ともあります。

このように、近い将来、現金払いだけでは損をする時代がくるかもしれないのです。

今のうちに自分なりの管理方法を決めておくと焦らずにすみますね。

具体的な家計簿への記入方法とお金の管理術

では本題の、具体的な家計簿へ記入方法についてみてみましょう。

キャッシュレスの支払方法には後払い、前払い、即時払いの3種類あり、これらは支払時にどの決済手段を利用するか選ぶポイントにもなります。

3種類の特徴も含めて、家計簿の記入方法を以下にまとめました。

後払い式(クレジットカードなど)

  • 一旦カード会社が支払いを立て替え、買い物の分だけ後からカード会社に支払う
  • 手元にお金がなくても利用できるため、使い過ぎに注意が必要

後払い式のおすすめの記入方法は、現金と同様に記入する方法です。
またその際、利用額を取り分けておくことがポイントです。

具体例
「◯月◯日 衣服 10,000 円(クレジットカード)」のように家計簿に記入。
10,000円をカード支払い用の口座、または「カード払い用封筒」を作成し現金で取り分けておく。

こうすることで使い過ぎの防止になり、引き落とし時の残高不足も防げます。

また、「買い物をした後に請求がくる」という後払い式の特徴を活かして、「衣服」や「家具家電」といった不定期に購入する物に利用するとよいでしょう。

これで毎月の生活費と分けて管理することができます。

後払い式に代表される「クレジットカード」は、キャッシュレス決済の中で最も普及している決済方法です。

後払い式はすでに家計簿の記入方法が確立している方も多いと思いますが、もしまだ決まっていない場合は参考にしてみてください。

ネット銀行の目的別口座サービスを活用する

さて、上記具体例の中で「現金を取り分けておく」という方法を提案しましたが、現金の取り分けは「ATMの利用」や「両替」といった手間と時間がかかります。

そこで便利なのが、いくつかのネット銀行で提供されている目的別口座というサービスです。(銀行によって名称は変わります)

目的別口座とは、代表口座とは別に、目的に合わせた口座を作ることが出来るサービスです。

この目的別口座を使えば、一つの銀行口座の中で封筒貯金のように細かく取り分けることが出来るので家計管理にとても重宝します。

ただ、ネット銀行によって目的別口座のサービス内容が少し違ってきますので、自分にとって使い勝手のいいものはどれか、よく確認するようにしてください。

前払い式(電子マネー、プリペイドカードなど)

  • カードやスマートフォンに前もってチャージし、店の機械で読み取って支払う
  • 自分であらかじめ利用額を決められるので、使いすぎる心配がない

おすすめの記入方法は、後払い式と同じくいつも通り現金同様に記入するだけです。

具体的にみてみましょう。

例えば、1ヶ月分の食費50,000円を電子マネーにチャージしたとします。
その時点では家計簿には何も記入せず、「1ヶ月分の食費を別の財布に取り分けた」と考えましょう。

後日スーパーで電子マネーから3,000円を支払った時に、家計簿には「◯月◯日 スーパー 3,000円」と記入します。

これで家計簿への記入は終わりです。

この方法のポイントは、チャージを支出と考えない点です。

また、「◯月◯日 チャージ 50,000円」のように、都度チャージ金額を家計簿に記入する方法もありますが、これでは後で振り返ったとき何に利用したのかわかりませんので、何に支払ったのか追記しておくといいですね。

即時払い式(デビットカードなど)

  • 支払い時に自分の銀行口座から即座に引き落とされる
  • 銀行口座から即座に引き落とされるため、現金と同じ感覚で利用することができる
  • 口座残高=利用可能額となるので、使いすぎる心配がない

家計簿への記入方法は、こちらも現金と同様です。

私はデビットカードの愛用者です。
月初めに1ヶ月分の生活費を専用口座に入れ、デビットカードで支払うようにしています。

アプリで残高確認ができる銀行であれば、なお便利です。

スマホ決済の場合

  • クレジットカード、電子マネー、銀行口座をスマホに登録して支払う決済手段
  • QRコードやバーコードを使った方法や、専用機械にスマホをタッチする支払い方法がある

スマホ決済の場合、注目するのはどの支払方法を登録したかです。

支払方法の種類は「後払い、前払い、即時払い」の3種類と変わりません。
登録した支払方法に合わせて、家計簿の記入とお金の管理を行いましょう。

スマホ決済は、利用可能店舗も増え、「個人間送金」や「公共料金や税金の支払い」といったサービスの拡充など、とても使い勝手がよくなっています。

また、高ポイント還元率のキャンペーンが頻繁に行われるなど、お得に買い物をすることができる点もおすすめです。

参考:経済産業省「キャッシュレスポイント還元事業消費者向け説明資料」https://cashless.go.jp/assets/doc/consumer_introduction.pdf

ポイントは棚からぼた餅と考える

ではキャッシュレス決済のメリットである「ポイント数」は、どのように家計簿に記入、管理すればよいのでしょうか。

ずばり、ポイント数の記入は必要ありません

貯まったポイントは家計簿に計上しませんが、ポイントを利用して何か購入したら、そのポイント分を差し引いた金額を家計簿に記入しましょう。

具体例
1,000ポイントを使って3,000円のおもちゃを購入した場合
「◯月◯日 おもちゃ 2,000円」 と記入する

また、ポイントのみで商品を購入した場合は、家計簿には何も記入しません。
「ポイント」は「棚からぼた餅」。元々ないものと考えると簡単です。

まとめ

まとめると、「後払い」「前払い」「即時払い」の3種類全て、家計簿の記入方法は「現金同様」ですが、お金の管理方法や考え方に違いがありました。

ただ、今回私がご紹介した方法はあくまで一例と考えてください。

家計簿をつける方法は一つに限りません。
ですが家計簿の目的は、ただ収支を記入するだけでなく、そこから改善点を探してよりよい家計に繋げることにあります。それには何よりも続けることが大切です。

ぜひ色々と試しながらご自身に合った家計管理方法をみつけてくださいね。