さまざまな資産に少額から投資できる投資信託は、個人が利用しやすい金融商品です。投資信託は、主にインディックス投信とアクティブ投信の2種類に大別され、通常はどちらかを選ぶことになります。
それぞれの特徴と、運用を行うにあたりどちらを選んだ方が良いのかについて個人的な意見を含め解説します。
インディックス投信とは
インディックス投信とは、パッシブ投信とも言われ、目安となるベンチマーク(指数)から運用実績が離れず連動することを目指す運用方法です。指数の動きがそのまま成績になるため、運用状況が分かりやすいのも特徴です。
たとえば、日本株式の代表的な指数は「日経平均株価」や「TOPIX」、米国株式の代表的な指数は「S&P500」や「ダウ平均」などです。
株式や債券などの指数を構成する銘柄を機械的に買い、値動きをその指数に連動させるため、投資に関わる人や投資対象のリサーチが少ないこともあり、コストが低くできます。
そのため、リサーチを重ね銘柄選定をしてより高い収益を狙うアクティブ投信に比べコストが少なく済み、投資家が投資信託を保有する期間に負担する信託報酬も低く設定できます。
また、同じ理由により投資信託の買付手数料が無料である場合が多いです。
インディックス投信は、あくまで指数に連動することを目的とした運用をしているため、指数自体に運用成績が左右されます。
アクティブ投信とは
アクティブ投信とは、目安となるベンチマーク(指数)を上回る成績を目指す運用方法のことです。
指数を上回る成績を目指すため、運用のプロであるファンドマネージャーと運用チームが個別銘柄や市場の調査・分析を行い、その結果を元に何に投資するかを選んで運用します。
そのため、指数に連動させるインディックス投信と違い投資対象のリサーチや分析にかかる作業や人員が多くなり必要コストが高くなりがちです。信託報酬もインディックス投信に比べ高いです。
アクティブ投信は、インディックス投信と違いファンドマネージャーが時間をかけてリサーチや分析をして厳選した投資先へ投資を行うため、運用がうまくいけば大きなリターンも期待できます。
しかしながら、世界最大の指数提供会社であるS&Pダウ・ジョーンズの2019年6月の調査によると、アメリカ市場で5年運用したアクティブファンドの78.52%がインディックス投信の成績に負けているという結果が出ています。
プロのファンドマネージャーが運用したからといって、インディックス投信の成績に必ず勝てるというわけではないですね。むしろ、現状ではインディックス投信の方が成績では勝っています。
参考レポート:S&Pダウ・ジョーンズSPIVA
https://us.spindices.com/spiva/#/reports
どちらの投信を選ぶ?
インディックス投信とアクティブ投信の特徴を見て来ましたが、どちらの投信を選ぶかは何に重点を置くかと、最終的には目的と好みで自由に選ぶのが良いのではないでしょうか。
分かりやすさやコストの安さ、に重点を置いてインディックス投信を選ぶのも良いですね。
もしくは、指数に連動させるだけじゃつまらないし、指数に入っている会社で気に入らない会社が入ってしまっているのでそれには投資したくない!となると投資したい会社が入っていたり、投資哲学に共感できるアクティブ投信を選ぶのも手です。
または、どちらかではなく両方に投資するのもある意味分散投資になるので、良いのではないでしょうか。
ちなみに、私は両方ともに毎月積立で投資をしています。
インディックス投信は、運用状況も把握しやすくコストも安いので指数をいくつか選んで積立投資で長期でじっくり投資しています。
アクティブ投信は、投資哲学に共感した投信や、投資先の企業を通じて社会貢献もできるような取り組みをしている投信、長期で社会に価値を提供している会社を厳選して投資しているものなどを選んで積立投資で長期でじっくり投資しています。
アクティブ投信を運用する運用会社の中でも、受益者(投信を買った人)に積極的に運用レポートを出したり情報発信をする、投資先企業と運用会社と受益者が集えるような会を積極的に提供している会社もあります。
投資してお金を託すだけでなく、投資先の企業や運用者の顔が見えるアクティブ投信もなかなか面白いですよ。
どちらの投信を選ぶにせよ、基本は10年以上の長期保有のスタンスで積立投資をしています。
種類もたくさんあり、奥が深い投資信託。
投資信託の検索には、モーニングスターのサイトが見やすく投信を選ぶための情報がたくさん載っています。
まずは、気になる投資信託を検索してみてはいかがでしょうか。