「72の法則」について知っていますか?

学校では習わない計算式ですが、金融業界では有名で、簡単に元本が何年で2倍になるかを計算できる数字になります。
計算式は簡単で、72を金利で割ると、2倍になるまでにかかる年数が計算されます。

「72÷金利(%)=2倍になるまでかかる年数(年)」

この法則を利用すると、資産運用する際に投資元本を2倍にするためには、複利運用で年率がどのくらいで、何年かかるかが分かります。

72の法則の前提として、計算結果は概算値であることと、利息が複利で計算されていることに注意してください。

72の法則で計算してみよう

例えば、2020年5月29日現在の大手都市銀行での1年物定期預金の金利は「0.002%」です。
その金利で、預けたお金が2倍になるには何年かかるでしょうか?

計算は以下の式で求められます。
72÷0.002(%)=36,000年

現在の低金利下だと、銀行に預けていても2倍になるまでに途方もない年月がかかることがわかります。残念ながら、金利の低い定期預金や個人向け国債などの元本保証商品で、資産を2倍にすることが不可能だとわかります。

それでは、予定する運用期間で元本を2倍にするために必要な金利は、どのように計算すればいいでしょうか。

例えば、20年後に2倍にしたいと考える場合の金利(%)を求める計算式は、以下となります。

72÷x(%)=20年 → 必要な金利は、x=3.6%

つまり、年率3.6%で20年間複利運用できたら投資元本が2倍になる、という計算が成り立ちます。

お金を借りた場合の計算方法

この法則は、資産運用だけでなく借金がどのくらいの期間で2倍になるかに置き換える事もできます。

例えば、クレジットカードのキャッシングサービスを利用して、金利18%の条件でお金を借りた想定で計算してみましょう。

72÷18(%)=4年 → 4年で借金の残高が2倍に!!!

この例は、4年間一度も元本を返済しなかった場合ですが、返済が滞った場合に、どのくらい負担が増えるかという目安にもなります。

お金を借りる時の金利も、少しの違いで返済額が大きく変わりますので慎重に考えましょう。

複利のパワー

資産運用や借金をする場合に、非常に重要なのが複利という概念です。複利とは、発生した利息を元本に足して、新しい元本として利息を計算する方法です。

わかりやすく銀行の定期金利で説明します。
例えば、銀行の1年物定期金利の金利が仮に3%だとします。100万円を預金すると1年後には3万円の利息が受け取れます。
それを使ってしまえば、元本は100万円のままで、金利が変わらなければ翌年もまた3万円が受け取れます。

しかし、これは単利といって、元本はいつまでたっても増えません。

それでは、1年後に受取った3万円を使わずに元本に加えたらどうでしょうか。

2年目の最初の元本は103万円になるので、2年後の金利が3%のままとすると利息は3万900円になります。この利息を元本に加えると3年目の元本が106万900円なので、利息は3万1,827円となります。

こうして元本自体が増えていくのが、複利運用です。銀行預金に限らず株式や投資信託における運用でも同じことです。

まとめ

複利のパワーは、よく「雪だるま式に増える」と表現されますが、複利効果は期間が長くなるほど金額が大きくなります。また、時間が経つほどわずかな利回りの差がどんどん大きくなります。

これから資産運用を始めたい方や、ローンを組もうとしている方などは、一度72の法則を使って計算してみてはいかがでしょうか。