「マイナス運用」という単語を聞いたことはありますか?

現在、銀行等の預金の金利が下がり、利息で資産が増えないのが現状です。
様々なメディアでも投資で自己資金を運用することを呼びかける内容が目立ちます。

加えて、NISAやiDeCoなど様々な非課税制度が発足され、投資が大分身近なものにもなりつつあります。
NISAやiDecoなどの、資産をプラスにする可能性があるものをプラス運用といいます。

NISAやiDecoについては聞いたことがある方が多いと思いますので、今回は、資産運用に投資を始める前にマイナス運用についてご案内致します。

1.資産の考え方について

資産とは、自分が所有している様々なものを指します。

土地・家屋・金銭や証券など沢山のものが含まれます。
その中に実際は負債(ローンなどの事。ここではマイナス運用と表記しているものです)も資産の一部として計上されます。

自身の資産は、資産ー負債=純資産と考えます

その為、いくら投資をして資産を増やしても、負債があればその分純資産は目減りします。

また、運用投資をして資産が目減りし、更に負債がある場合、結局は純資産は負債分マイナスのままとなります。

勿論住宅ローンの控除などの関係で、早々に繰上返済をしない方が得策な場合もあります。

控除の関係で急いで返済をせず、そのままにされる場合は、繰上返済しない期間中に繰上返済用に資金を貯蓄しておき、控除対象期間が過ぎた後にまとめて返済するのがお勧めです。

2.投資全般は急がば回れ♪

大切な家族を守るため、自分の将来の為などに必要な資産。
大切な資産をいかに守り、いかに増やしていくかを真剣に考えているご家庭が、とても多いです。

その際に選択肢にあがる1つが資産運用投資です。

資産運用投資は、マラソンのように長期間お金に働いてもらい利益を出す手段の為、途中で解約したりすることが無いように、まずはご自身の資産状況をきちんと見直してみましょう。

  • 今運用投資を行って、途中で挫折しないか?
  • 先に繰上返済するべきものがないか?
  • 控除期間はいつまであって、いつから返済したらいいのか?

主に上記の点でご家庭の状況をぜひ確認してみてください。
もし、ご自分の資産状況がこの状態でいいのか心配であったり、繰上返済した方が有利なのか?
そんなお悩みが出てきた場合は、ぜひ一度ファイナンシャルプランナーにご相談してみてください。

3.マイナス投資とは

例えば、住宅ローンを借りている場合、その住宅ローン借入金額に対しても金利が発生しています。

住宅ローン金利が1%なら、借入金額に対し1%の利息が発生し、その利息を借入金額の返済に上乗せして支払っていることで資産がマイナスになります。

その為、ローンなどの資産をマイナスにする動きのあるもののことを「マイナス運用」と呼ぶ方もいます。

投資で資産を増やす前に、自身の資産を目減りさせているマイナス運用がないかを確認し、自分のマイナス運用を無くすことを考えるのが建設的です。

投資を始めたとしても、資産がどの程度増えるか、逆に目減りしてしまうのかは未知数です。
しかし、ローンを繰上返済する場合、繰上返済した分の利息を確実に払わなくてよくなり、資産の目減りを減らすことが可能となります。

投資によって資産を運用しプラスにすることを伝えるメディアが多いですが、投資を始める前に、まず自分の資産をマイナスにしているものがないかの確認はされてますか?

4.ローンがあるうちは投資をしてはいけないの?

投資をしてはいけないわけではありません。
しかし、マイナス運用があるなかで運用投資で損が発生した場合、投資に回していた資金が引き出しできなくなり、ローンの支払いが滞ってしまったり、更なる借入が必要になったりするリスクもあります。

運用投資はリスクがあり、運用実績によって資産が大きく増えることも目減りすることもあります。

可能であれば先に繰り上げてローンなどの返済を行い、マイナス運用を無くしてから運用投資をすることをお勧めします。