「大坂なおみ選手は3歳からテニスを始めていた」

現在活躍している選手が、幼児期から習い事をスタートさせていた話を聞くと「今習い事を始めたら、もしかしてうちの子も」と期待してしまいませんか?

ただ、お金の面でいうと幼児期は「貯め時」でもあります。
この先かかる教育費に備えておきたい時期に、どれだけ習い事にお金をかけるのか皆さん迷うところではないでしょうか。

そこで今回は「幼児期の習い事予算の立て方」についてみていきましょう。

幼児期の習い事、メリット・デメリット

幼児教育・保育の無償化が始まってから、私の子供が通う幼稚園では園内の課外保育への申し込みが去年に比べ急増するなど、幼児期から子供に習い事をさせる家庭は目に見えて増加しています。

では、幼児期から習い事を始めるメリットとデメリットは何でしょうか。

メリット

  • 好きなことや得意なことが、早い時期に見つけられる
  • 基礎能力を高めることができる
  • 社会性が育まれる
  • チャレンジ精神、やり遂げる力が身に付く

デメリット

・親からのプレッシャーで子供にとってストレスになる可能性がある

  • 習い事を継続していない場合、成長してから結果的に差がなくなる場合もある
  • お金がかかる
  • 習い事が多すぎると、家族と触れ合う時間が減ってしまう

このように、幼児期に習い事を始めると多くのメリットがある反面、デメリットも少なからずあります。

特に「成長したら差がなくなるかもしれない」という不安は、幼児期に習い事をさせるかどうか悩む要因の一つではないでしょうか。

ただ、その他のデメリットは親の対応一つで解消されるものが多くあります。
たとえば子供の気持ちを尊重し、本人が本当に楽しんで通えていればストレスはないはずです。

また「今日はどんなことを教えてもらったの?」「ママにも教えて!」など子供に問いかけることで、習い事をきっかけに会話が弾み、子供と楽しい時間を共有することができます。

大好きなお母さんが興味を持って話を聞いてあげることが、子供の好奇心を高める原動力にもなるでしょう。

お金をかけている分ついつい期待して口を出したくなりますが、親はそっと見守る努力が必要ですね。

幼児期の習い事にかける費用の相場

実際に皆さんは、家計から幼児期の習い事の費用をどのくらい支出しているのでしょうか。

幼稚園の「学校外活動費(学習塾や体験活動、習い事など)の支出状況」をみると、
・公立の場合 3歳 4.7万円、4歳 8.3万円、5歳 10万円(/年)
・私立の場合 3歳12.4万円、4歳17.3万円、5歳19.6万円(/年)
という結果でした。
出典:「平成30年度子供の学習費調査」(文部科学省)令和元年12月18日公表https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf(令和3年2月3日に利用)

公立と私立で大きな差がありますが、ここで注目したいのは「学年が上がるごとに支出が増えている」という点です。

最初の1年は問題なくやりくり出来ていたのに、徐々に習い事の数が増え、2年後3年後には家計を圧迫している可能性があります。

習い事の予算を考える際は、将来的に支出が増えることも視野にいれておきましょう。

習い事予算の立て方

習い事の費用は毎月の固定費として家計に大きな影響を与えます。先を見据えて計画的に予算を組みましょう。

習い事予算の算出式

習い事の費用は、衣服代や娯楽費などと同様に「あると生活をより豊かにしてくれるが、なくても生活できるもの」に分類できます。

算出式は以下のようになります。

「娯楽費、習い事費」= 毎月の手取り収入 − 固定費 − 生活費 − 貯蓄 

・固定費は住居費や水道光熱費、学費などの毎月必ず支払わなければならないお金。
・生活費は食料品や日用品など、生活になくてはならないお金。
・貯蓄は学資金や老後資金などの為に貯めておきたいお金。
・娯楽費は衣服や外食、ちょっとしたレジャー等、自分で出費を決められるお金。

習い事を増やしたい時は娯楽費を減らすなど、この式で算出された金額の中でやりくりするようにしたいですね。

また、習い事にかかる費用は月謝だけではなく、入会金やユニフォーム代、教材費、発表会の為の衣装費など多岐に渡ります。月謝以外の費用も把握して総合的に考えましょう。

予算が足りない場合の対処法

まずは固定費である保険や通信費など、家計で節約できるところがないか見直してみましょう。

また、時間に余裕がある場合は収入を増やすことを考えてもいいかもしれません。
今は、隙間時間を使ってできる仕事や、インターネットを使った在宅ワーク等さまざまな働き方があります。自分のライフスタイルに合ったものを探してみてはいかがでしょうか。

その他、習い事にもよりますが、公民館等で行われている民間のサークルを検討するのも一つの手です。サークルなら気軽に参加できて料金も比較的安い場合が多いので、子供が好きなことを見つけるきっかけ作りにもいいですね。

まとめ

「子供の可能性を広げてあげたい」と思う気持ちは親ならば当然です。
しかし、習い事に費用をかけるあまり日々の生活が苦しくなり、家族の笑顔がなくなってしまっては本末転倒ではないでしょうか。

習い事の費用はあくまで「なくても生活できるもの」と考え、必要な支出を確保した上で余裕を持って予算を立てるようにしましょう。