NISAやiDecoが浸透し、投資をするのが身近になってきました。
NISAなどの非課税制度や口座開設の説明はよくWebサイトや情報誌などで見かけますが、実際に取引をするにあたって、証券口座を開設後に投資資金を入金する必要があります。

ここでは投資資金の入金方法の比較と注意点についてご案内していきます。

入金方法一覧

1:証券会社への振込

証券会社から指定される最も一般的な入金方法です。
証券会社指定の銀行口座に振込をすることで、自身の投資用証券口座に入金ができます。

2:証券会社への即時決済サービス

証券会社で行なっているWeb決済サービスの1つです。
証券会社のWebサイトから自身の利用している金融機関のWebサイトにリンクし、Webサイト上で資金移動の指示を出します。

証券会社と銀行のパスワードを入力して本人確認を行い、リアルタイムに資金移動が可能なサービスです。

3:証券会社発行のキャッシュカードでATMからの入金

証券会社の中にも銀行のように、ATMで使用できるキャッシュカードを発行している会社があります。
そのキャッシュカードを使い、証券会社が提携しているATMから直接自身の投資用証券口座に入金することが可能です。

4:証券関連会社の銀行からの入金

同じグループ会社の銀行口座に入金し、その銀行内の証券取引用の口座に資金を入金しておくと、証券会社に直接入金しなくても証券会社の買付余力として取引ができるようになるサービスです。

主に、楽天銀行と住信SBIネット銀行が取り扱いしているサービスとなり、利用するには事前に申込が必要です。

5:関連会社のポイントシステムの利用(楽天やTポイント)

証券会社が提携しているポイントカードを証券口座に紐付けて、保有しているポイントを使用して運用投資をすることが可能なサービスです。

代表的なサービスとしては、以下があります。

  • 楽天証券=楽天ポイント
  • SBI証券=Tポイント
  • LINEスマート投資=LINEPayポイント

入金方法毎の手数料とメリット・デメリット一覧

入金方法 証券会社宛の振込入金 即時決済サービス(別名:クイック入金サービス) ATM入金 関連会社からの入金 関連会社からのポイント入金
手数料 各金融機関所定の振込手数料が掛かる。

(目安:無料〜900円前後)

無料 金融機関所定の手数料が発生

(目安:無料〜200円前後)

無料 無料
メリット ・自身のメインバンクを使用することができる。 ・入金手続きが即時に反映される。

・手数料がかからない

・ネット環境が無くても入金ができる。

・操作が簡単

・手数料が安い

・銀行預金扱いで取引が可能な為利息が貰える。

・振込など金融機関にてサービス優遇がある所が多い

・保有しているポイントで投資が可能な為、自己資金が不要

・一度口座とポイントを紐づけるだけで利用が可能

デメリット ・振込手数料が発生する

・金融機関によっては、窓口やATMでの振込となる。

・ネット環境が必須となる。

・金融機関それぞれのパスワード

必要となる

・ATMまでいかないと行けない

・金額が大きい場合、一度に手続きできない場合がある。

・金融機関毎にサービス内容が独特な為、サービスの内容を理解する必要がある。 ・保有ポイント数と、取引したいポイント数に差異がでる可能性がある。

よくある注意点

1:入金に手数料を掛けない

「とりあえず証券会社の口座に振込して資金を入金すればいいのでしょう?」そう思っている方が多いです。勿論手続きとしては間違いではありません。

しかし、振込入金には手数料がかかる場合があります。きちんとご自身が利用している金融機関や証券会社にはどのような入金手続きのサービスがあり、いかに安く早く入金できるかを最初に確認しておきましょう。

運用でプラスになったとしても、毎回手数料を取られて最終的にマイナスになってしまっては意味がありません。

2:「名義相違」による時間とお金のロスを無くそう

「証券会社宛の振込」と「即時決済サービス」を使用する場合に、「名義相違」で資金の入金が止まってしまうケースが散見されます。

例えば、奥様の銀行口座にある投資資金を、旦那様の証券口座に振り込みをするとします。

その際の手続きとして、奥様の銀行口座→旦那様の証券口座へ振込していると思われている方が多くいますが実は違います。

実際は、奥様の銀行口座→証券会社保有の銀行口座→旦那様の証券口座という流れで入金がされます。
その為、奥様の銀行口座から入金する場合は、「振込依頼人名」を旦那様名義に変更してから送金手続きをする必要があります。

振込依頼人名が奥様のまま送金手続きをすると、資金を入金された証券会社はどの名義の証券取引口座に入金したらいいのかの判別がつかず、入金手続きがストップし資金が宙に浮いてしまいます。

資金が宙に浮いてしまった場合、多くの証券会社は振込した人に【組戻し】手続きを依頼します。

【組戻し】手続きを行う場合、出金手続きをした金融機関に振込手続きのキャンセルを依頼し、出金した金融機関から受取金融機関を通じて受取人に連絡をします。
受取人に資金返却の依頼をし、受取人が資金返却に同意をした場合、振込依頼人に資金が返却されます。

上記の例でいいますと、奥様が出金手続きをした金融機関に【組戻し】手続きの依頼をし、証券会社保有の金融機関を通じて証券会社に資金返却の依頼をし、証券会社が資金返却の同意をした場合に、奥様の口座に資金が戻ってきます。

【組戻し】手続きには、組戻し手数料と資金が返却されるまで日数がかかるります。
手数料の目安は900円〜1,000円前後、日数は3営業日〜10営業日程度掛かることがあります。

折角投資をして資金運用をしようとしても、この名義相違で時間もお金も無駄になるケースが多いので注意しましょう。

まとめ

初めて資産運用を開始するにあたって、証券口座を開設したりNISAやIDecoの設定など様々な必要書類の手続きなどをされたかと思います。

面倒な手続きもすんでいざ!投資を始めるぞなんて意気揚々としているときにうまく入金ができなかったり、操作がよくわからなかったりするとがっかりしてしまうことがあると思います。

この記事を読んでいただいて、ぜひ準備万端、楽しく資産運用をしていただけたらと思います。