日常生活の中で必要なものやサービスがあれば、私たち消費者は商品を購入したり、サイトに登録をして特定のサービスを利用できるようにしたりしますよね。
その際に無意識に行っていることが、何にお金を出すのかという「選択」です。
私たち消費者の購買行動が、企業のマーケティングや商品開発などに大きな影響を与えていることをご存知でしょうか?
消費者が企業に与える影響
現在はSNSが普及したこともあり、商品に対するユーザー側の生の声を企業側へ届けやすくなりました。
結果的に、私たち消費者の企業へ与える影響が以前に比べて大きくなったのです。
消費者からのフィードバックを元に、企業は商品やサービスの改善を行いやすくなりました。
現在、消費者からの声は企業にとって重要な情報となっています。
あなたの購入基準は?
消費者からの声を尊重し、消費者の利益を考え、なおかつ社会や環境に良い事業活動を行う企業はとても印象が良いですよね。
このような企業の商品やサービスを購入することは、自分がその企業の考え方や取り組みに賛同するという意思表示にも繋がります。
ですが、商品やサービスを選ぶ基準は人によって違いますよね。
値段を優先する人、質・量を重視する人、評価を考慮する人など、価値観や環境も影響しているでしょう。
しかしながら、企業の社会や環境に与える影響の大きさを考えれば、商品やサービスの購入基準として「企業の社会的責任」が含まれても良いのではないでしょうか。
企業の社会的責任
企業の社会的責任は、”Corporate Social Responsibiity”(CSR)とも言われ、利益追求のみならず全てのステークホルダーを考慮した社会全体の価値創造に取り組むことです。
ステークホルダーとは投資家、取引先、消費者、コミュニティなどがあります。
利益を追求するために環境を害したり、地域コミュニティの人々の意見に耳を傾けることなく工場の操業などを行ったりすれば、いくらその商品やサービスが良いものでも、良い企業とはいえないかもしれません。
現在のCSRを後押しする世間的な風潮もあり、経済成長だけを求めない、CSRのような社会への影響も考慮した企業活動が近年では多く見受けられます。
企業の取り組み
実際に企業は社会や環境のためにどのような取り組みを行なっているのでしょうか。
世界で工場を操業するグローバル企業であれば、地域資源の有効活用、工場からの廃棄物や排気ガスのマネジメント、あるいは地域コミュニティでの雇用創出などに取り組んでいます。
また、国内の企業であれば、従業員がボランティア活動に参加したり、従業員がより働きやすくなるような企業文化の発展に取り組んだりしています。
社会や環境に対する良い取り組みを進んで行う企業は欧米諸国の方が多いように思われますが、現在では日本企業の多くも企業活動の見直しや戦略への組み込みなど、積極的な改善に取り組んでいるのです。
私たちの役割
企業を始め、社会全体として世界の持続可能性に取り組んでいくとき、私たち消費者にはどのような役割があるでしょうか?
以下の2つについて考えてみます。
- 企業活動に興味をもつ
- サステナブル(持続可能)な商品を受け入れる
企業活動に興味をもつ
普段、商品を購入する際に、どのようにその商品が生まれたのか、について興味をもつことが大切です。
商品を購入することで企業活動に影響を与えることがあるとすれば、どの企業の商品を購入するのかということも重要となってきます。
その商品は消費者から受け入れられている、というサインにもなるからです。
仮に、ある企業が環境や社会にダメージを与える企業活動を行なっていた場合、その企業の商品を買えば、購入者はその企業の企業活動を応援しているという意思表示とも取れます。
商品自体に不満な要素がある場合は、無理をしてまでその企業の商品を購入する必要はありませんが、初めて購入する時は「良い企業活動を行なっている企業」に投票する、という気持ちで商品を選ぶことがあってもいいのではないでしょうか。
サステナブルな商品を受け入れる
企業が持続可能性への取り組みを進めていく中で、消費者がそのような企業のサステナブルな商品を受け入れていくということは非常に重要です。
消費者が購入しないような商品やサービスを開発しても、開発・販売する企業にとってはコストが増えるだけで、利益にならないからです。
企業は法人である以上、利益を生み出すことも考えなければなりません。
サステナブルな商品を開発してもそれが消費者から受け入れられないとすれば、企業は改善を行なっていくことに対して消極的になるかもしれません。
だからこそ、サステナブルな商品を私たちが積極的に受け入れていくことは、企業側が商品やその企業活動を環境や社会に良いものへと改善していくことに近づけていくことになるでしょう。
商品がサステナブルであっても消費者の利益を害するようなものであれば、必要に応じて企業側とコミュニケーションを取ることも大切です。
さいごに
自分の購買行動の与える影響について考えたことのない方が大半だと思います。
だからこそ、日頃の買い物の中で私たち消費者が地球に貢献できることの一つとして、購買基準の選択肢を増やすという提案をしました。
もし興味を持っていただけたなら、次回の買い物の際、企業の取り組みやサステナブルな商品に目を向けてみてはいかがでしょうか?