(※本コラムは、2020年1月22日時点の情報を基に執筆したものです。政府による「キャッシュレス還元事業は、2020年6月で終了しています)

現在さまざまな支払い方法を選択できるようになり、すっかり現金離れが進んでいるキャッシュレス決済。
増税に伴い政府推進のキャッシュレス還元があったり、各社の支払い方法にてキャッシュバックキャンペーンを実施したりと毎日沢山の情報が飛び交います。

実際キャッシュレス決済を使用する事によって、私達の暮らしにどのような影響を与えるのかを詳しく解説していきます。

そもそもキャッシュレス決済とは?

キャッシュレス決済とは、紙幣や硬貨を使用せず、クレジットカードや電子マネーなどを利用した決済方法のことを指します。
お財布を出さずに手持ちのスマートフォンやクレジットカードだけで決済が完了するのでキャッシュレス決済といいます。

2019年の消費税増税に伴い、経済産業省を通じて国でもキャッシュレス決済を後押しする制度として「キャッシュレス還元」を打ち出しています。

キャッシュレス還元とは?

経済産業省が取り組んでいるキャッシュレス還元とは、2019年10月の消費税増税に伴い、増税後の買い控え対策とキャッシュレス決済を消費者に知ってもらい使用してもらう為の政策です。

経済産業省に加盟店登録している中小企業で2020年6月までにキャッシュレス決済にて買い物をすると、2〜5%のポイント還元されるとしています。

なぜ国が積極的にキャッシュレス決済導入を推進しているのでしょうか?

経済産業省では「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会開催」を視野にいれて、利便性と各家庭や個人などの資金の流れを見える化するという狙いがあります。
また、キャッシュレス決済によって、店舗の無人化等の支払い手数料等のコスト低下を図り、2027年までにキャッシュレス決済比率を40%以上にすることを目標としています。

キャッシュレス決済を使用するメリット・デメリット

キャッシュレス決済のメリット

1:お財布をいちいち出さなくてもいい
お買い物のたびにカバンからお財布を出してお金を出すという一連の流れは、地味に時間がかかるものですよね。
キャッシュレス決済は時間を短縮してスピーディーにお会計ができ、レジでバタバタしなくなります。

2:キャッシュレス還元や各社のキャンペーンでお得に購入できる
指定の条件を満たした場合に、一定金額やポイントにてキャッシュバックをしてくれるキャンペーンが頻繁に行われています。そのため、現金で購入するよりも数%お得に買い物ができます。

3:クレジットカード支払いの場合は、クレジットカードのポイントも貯まる
メリット2でお伝えしたキャンペーンやキャッシュレス還元にプラスして、○○payなどの電子マネー決済のチャージ方法をクレジットカードにした場合さらにお得です。
キャッシュレス還元+各社のキャンペーンでのキャッシュバック分+クレジットカード会社のポイントと3重でポイントなどのキャッシュバックを得ることが可能となります。

4:同じ決済方法を利用している人に資金を送金することができる
画期的な方法の1つとして、資金を他のユーザーに送金できるのもメリットです。
飲み会などで支払いを割り勘にする際にも、現金ではなく電子マネーで幹事の方に支払いをすることができます。

また、現金を子供に持たせた場合にも、お財布を落としてしまうという心配が無くなります。スマートフォンを所持していれば資金が不足した際に追加で送金したり、親が明細を確認できたりと管理がしやすくなります。

万が一スマートフォンを落とした場合も、GPSでどこにあるかを検索したり、勝手に使用されないようにロックを掛けておくことも可能ですので、安心ですね。

キャッシュレス決済のデメリット

1:電子マネーの場合、電源が無くなると決済できなくなる
スマートフォンアプリによる電子マネー決済の場合、スマートフォンは必需品です。
万が一スマートフォンの電源が無くなってしまうと支払いができなくなるので注意が必要です。

2:各社さまざまな決済方法があり、資産が分散され管理が大変になる
クレジットカードに電子マネー・○○payと現在決済サービスはとても種類が豊富となってきています。
自分にあった決済方法を選択できますが、自分に合ってる決済方法にたどり着くまでに数種類を使用すると、資産が分散されてしまい管理が困難となります。

どこにいくら入っていたのか、どの決済方法でいくら使用したのか、が不透明になるので通常より支出が多くなりがちに。自分の中で管理しやすい1〜2種類程度の使用におさえることをお勧めいたします。

3:ポイント還元は2020年6月まで
現在賑わっているキャッシュレス還元もずっと続くわけではありません。
2020年の6月までと決まっているのでご注意ください。

4:災害時に電気供給が止まると決済できない
震災があった際にまずストップしてしまう可能性が高いのが電気です。
ストップしなかった場合も、東日本大震災の時のように「節電」として、電気の使用に制限がかかる可能性があります。

万が一のことも考慮して現金も必ず身につけるようにしておきましょう。

キャッシュレス決済の活用方法

1:使用する支払い方法を1〜2種類に絞る
キャッシュレス決済のサービスは複数あります。それぞれに使えるお店が異なっていたり、キャッシュバックキャンペーンが行われていたりと、どれも使い勝手がよくお得に見えますよね。

しかし「使いやすそう」「お得そう」といった気持ちのまま、いくつものサービスを利用すると、支払い方法が分散してしまい管理が難しくなります。
気づいたら思っていた以上にお金を使っていたり、せっかく貯めたポイントも使わずに失効してしまった、なんてことも。

お金の管理をもっと手軽に、お得にしようと利用を始めたはずなのに、これでは本末転倒ですよね。
できるだけ支払い方法は絞って使用しましょう。

2:使用するお店を定番化しておく
よく買い物をするお店を決めておけば、買い物をする度にどの支払い方法に対応しているか悩む必要がなくなります。

3:キャッシュレス決済での使途をあらかじめ限定しておき、使い過ぎに気をつける
決済した後に明細を定期的に確認するクセをつけたり、使った分の資金を取り分けておき引き落とし用口座に入金するようにしたりすることによって、使い過ぎを防ぐことが可能です。

4:現金も最低限もちあるく
キャッシュレス決済が増えてきているのは事実ですが、まだ普及していないお店もあります。
また、通信トラブルがあった場合にお会計ができないケースもありますので、最低限の現金は必ず持ち歩きましょう。

まとめ

小さい子供がいるとお財布を出してお金を出すという行為だけでも、子供がじっとしていないので大変ですよね。

とても便利なキャッシュレス決済を、私も実生活で多く使用しています。
現在は家計簿ツールと同期させて勝手に家計簿に記載してもらえるようにシステム化したり、我が家には無くてはならない決済方法となっています。

しかし、私もキャッシュレス決済を使用し始めたばかりの頃は20%還元などの波に乗り、ほぼ全ての支払いを数種類の決済方法を用いて使用していました。
すると翌月の支払いで思ったよりも高額な請求がきて、びっくりした記憶があります(笑)

後日キャッシュバックになるとはいえ、正規の金額での支払請求はやってきます。
そのため皆様も一度使用方法をしっかりとご家庭で考えていただき、家庭で管理できる範囲でお得に便利に活用されるといいと思います。

参考資料:キャッシュレス・ビジョン 経済産業省 平成30年4月
https://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180411001/20180411001-1.pdf