就職や結婚などのライフイベントを経験すると、保険への加入を検討する機会が多々でてきます。
「医療保険位は加入した方がいいのか?」
「医療保険は不要なのか?」
様々な情報が雑誌やネット上で飛び交い、自分だけで判断することが難しいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは医療保険の必要性や給付金日額の考え方について説明していきます。
1:医療保険は本当に必要?
なぜ、医療保険が必要だと思ったのでしょうか?
病気になったら、たくさんお金がかかる
仕事にいけなくなって収入が目減りする
そんな不安を感じて、医療保険への加入を検討される方が多いかと思います。
ここでは、病気になった際にかかってくる治療費費がどの位なのか、例を挙げながら説明していきます。
治療費の自己負担額はいくら?
まずは、治療費の自己負担金額がどのくらいになるのかを説明していきます。
例えば、入院手術を行い1ヶ月の治療費が100万円掛かったとします。
このうち、健康保険が適用になる為、自己負担割合は3割になるので約30万円が自己負担金額になります。
「30万円の出費」となると大金だと感じますよね。
しかし、この30万円が全額自己負担にはなりません。
日本には「高額療養費制度」という制度があり、年収によって異なりますが、年収約300万円の場合は、30万円のうち約9万円が自己負担金額になります。
1か月間の治療費の自己負担が約9万円
この9万円+その他諸費用分を貯蓄で補うか、保険で補うかが保険加入するかどうかの分岐点となります。
※注意点:1か月の為、月をまたぐ又は病院を転院するとまた別で9万円掛かります。
治療費以外にかかる諸費用
入院をした場合、掛かってくる費用は治療費だけではありません。
その他に差額ベット代・食事代・雑費も掛かってきます。この諸費用の部分は医療費控除の対象外の部分になります。
食事代は一律460円/食と全国健康保険協会にて決まっています。その為、1日3食食事した場合は、1,380円が発生します。
※出典:全国健康保険協会「入院時食事療養費」
差額ベット代とは、自ら個室又は2人部屋など人数が少なくい部屋を希望した際に発生します。金額は病院によって異なりますが、目安として3,000円~10,000円位が一般的です。
自身が入院する際に「他人と同じ部屋では休まらない」「子供がお見舞いにくるから他の人の迷惑になってしますかもしれない」と思う場合は、個室代も計算に入れておくとよいでしょう。
雑費とは、入院中に読む本代など趣味の部分や、家族に来てもらう際の交通費・お見舞いのお返しなど様々な費用をさします。
こういった臨時にかかる出費部分を生活費ではなく、保険で賄う方法もあります。
2:治療費と日額の考え方
1で見ていただいた治療費と諸費用を足した金額が、入院日額となります。
治療費は長期入院に対応するのか、短期入院に対応するかで考え方が変わってきます。
前述の1か月の治療費が9万円とした場合を例に考えていきます。
1か月入院した場合:9万円÷30日=3,000円/日
15日間入院した場合:9万円÷15日=6,000円/日
現在、長期入院は主に脳疾患・心疾患・精神疾患が大半を占めており、がんを含むそれ以外の病気などは通院が主になっているため、平均14日程度の入院が多くなっています。
厚生労働省が発表している全疾病の総数平均としては、約30日の入院としています。
※出典:厚生労働省「平成29年(2017)患者調査」3 退院患者の平均在院日数等
例1)全疾病に万遍なく対応可能で個室に入院した場合も多少は対応できるようにしたい場合
日額3,000円+食費1,380円+差額ベット代5,000円=約10,000円/日となります。
例2)貯蓄と保険両方で備えたい場合
日額3,000円+食費1,380円=約5,000円/日となります。
3:医療保険のメリット・デメリット
メリット
1収入が目減りする場合や精神的負担の軽減になる。
入院している際、掛かってくる治療費と働けない分の収入減に不安になることがあります。
その時に「保険に入っていて良かった」という安心感は確かにあります。
2少額で先進医療特約を付加できる。
まだ健康保険対象ではない最新の治療法を受けたい時、全額実費になるケースがあります。
その時に、加入している医療保険に月額約100円程で「先進医療特約」を付帯していると、保険適用となります。
この特約だけで加入することができない為、医療保険加入が必要になります。
3保険会社オプションにて「セカンドオピニオン」が使用できる
対応している保険会社が絞られますが、医療保険に加入した際に保険会社のオプションで「セカンドオピニオン」相談を実施している保険会社があります。
「セカンドオピニオン」とは、一度医療機関を受診し、受診結果の内容が合っているか不安になった場合に別の医療機関で再度受診し結果をもらうことをさします。
実際に「この検査結果で合っているだろうか?」と不安になった場合に、別の医療機関を探したり相談をするというのは心理的ハードルも高いため、保険会社に相談できるメリットがあります。
デメリット
1契約内容が古くなってしまい、将来的に内容の見直しをする必要がある。
契約した際は保障内容は最新ですが、医療業界もどんどん治療内容が最新化するため、数年後に実際に治療した際に契約当時の保障内容と実際の治療内容が異なる場合があります。
2保険料を支払う分貯蓄した方がいい場合がある
医療保険は入院をしないと給付されません。
例えば30歳で月3,000円の掛け捨ての医療保険に加入し、60歳まで全く入院しなかった場合
3,000円×12か月×30年=108万円の保険料を支払っていることになります。
日額5,000円の医療保険だった場合、60歳から死亡するまでの間に216日入院しないとこの分は取り戻せない計算となります。
勿論これは極論ですが、それなら108万円貯金しておいて、入院した場合に出すのも1つの手です。
4:まとめ
貯蓄と公的保障があれば医療保険は最低限でも問題ないと思います。
貯蓄が少ない・通院した場合に備えたいなどの場合は、きちんと医療保険の加入目的を持ち、自分自身が不安に思う内容を解消できる医療保険を選択して加入しましょう。
保険は、月々の掛け金に目を奪われがちですが、長い年月支払い続けると大きな金額になります。
3大支出の1つは保険とも言われます。
医療保険加入の際は、どの位トータルで掛け金を拠出しているのかもきちんと確認してみましょう。