仕事を辞めたい、と思ったときに「次の仕事が決まっていないのに仕事を辞めてもいいのかな」と不安になることは無いでしょうか。
転職の際に強い味方になるのが「失業手当」「再就職手当」です。
名前は聞いたことはあるものの、概要や実際いくら手当が貰えるのか分からない人も多いのではないでしょうか。
失業保険ってなに?
雇用保険の被保険者で一定の条件を満たした人は、離職の翌日から起算して原則1年間、国から金銭的な手当(いわゆる基本手当と呼ばれるもの)を受け取ることができます。
メリットとしては、退職後すぐに転職先が見つからない場合でも手当を受け取りながら転職活動ができるので、金銭的にも精神的にも余裕を持つことができます。
デメリットとしては、失業保険には給付制限があり、一定期間基本手当を受給できない期間があることです。
会社を自己都合で退職した場合は、基本手当の受給手続きから原則として7日経過した翌日から2ヶ月間基本手当を受給できません。(※倒産など会社都合の場合は、7日経過後に受給が可能です。)
失業保険を受け取れる対象者は、離職前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上の方です。(倒産・解雇などの場合は、離職前の1年間に、被保険者期間が通算6ヶ月以上)
失業保険の基本手当の所定給付日数は、雇用保険の被保険者であった期間、年齢、離職理由によって決定します。
原則1年間ですが、受給期間中に、病気、ケガ、妊娠、出産、育児などの理由によって、引き続き30日以上働くことができなくなったときは、最長3年間まで延長できます。
実際どれくらい貰えるの?
正確な金額は住所を管轄するハローワークに提出する離職票に基づき計算しますが、給与の総支給額(保険料等が控除される前の額。以下同じ。賞与は除きます。)により、概ね以下のとおりです。
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- 平均して月額15 万円程度の場合:支給額は月額12 万円程度
- 平均して月額20 万円程度の場合:支給額は月額14.5 万円程度(離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方は月額14万円程度)
- 平均して月額30 万円程度の場合:支給額は月額18 万円程度(離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方は月額15万円程度)
※ およその計算式は、(離職前6か月の給与の総支給額の合計÷180)×給付率です。
なお、給付率は、離職時の年齢、賃金により、45%~80%になります。
※ 給付額には上限・下限があります。詳しくは厚生労働省のHPをご覧ください。
再就職手当ってなに?
失業保険はもともと再就職支援のための手当なので、基本手当の所定給付日数の3分の1以上給付日数を残して安定した職業に就き、支給要件をすべて満たした場合、再就職手当を受給することができます。
再就職手当を受給することで、雇用保険(基本手当)を全て受け取ってから就職するよりも収入が多くなる可能性があります。
支給要件
再就職手当を受給するためには、下記の1~8までの要件を全て満たすことが必要です。1~8の要件が満たされない場合は手当が貰えないので注意しましょう。
- 就職日の前日までの失業の認定を受けた後の基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。
- 1年を超えて勤務することが確実であると認められること
- 待期満了後の就職であること
- 離職理由による給付制限を受けた場合は、待期満了後1か月間については、ハローワークまたは許可・届け出のある職業紹介事業者の紹介により就職したものであること
- 離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと(資本・資金・人事・取引等の状況からみて、離職前の事業主と密接な関係にある事業主も含みます。)
- 就職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けていないこと
- 受給資格決定(求職申し込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと
- 原則、雇用保険の被保険者資格を取得する要件を満たす条件での雇用であること
※ 1.の支給残日数については、就職日から受給期間満了年月日までの日数を超えるときは就職日から受給期間満了年月日までの日数が支給残日数となります。
再就職手当の計算方法
再就職手当がいくら貰えるかは、以下の計算式を使って確認することができます。
1. 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上の方
2. 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上の方
(※1)再就職手当に係る基本手当日額には、上限額があります。なお、この金額は、「毎月勤労統計」の平均定期給与額により、毎年8月1日に改定されます。
(※2)就職日が平成29年1月1日前の場合は、60%
(※3)就職日が平成29年1月1日前の場合は、50%
まとめ
いかがだったでしょうか。
これらの手当の申請方法は、お住いの地域のハローワークで手順を教えてくれます。
今の仕事をいつ辞めようか、などお考えの方はぜひ失業保険や再就職手当をうまく利用して転職活動を行ってくださいね。