2020年1月14日付日経新聞の1面に、「投信、指数型が過半」という見出しの記事が掲載されました。

投資信託のうち、日経平均株価やアメリカのS&P500種株価指数などの指数に連動する「インディックス投信」の純資産額が、2019年に初めて日本で販売されている投資信託の純資産総額(確定拠出年金やラップ専用口座は除く)の過半になったそうです。

インディックス投資とは?

「インディックス投資」は「パッシブ投資」とも言われ、設定したベンチマーク(指数)から運用実績が離れず連動することを目指す運用方法です。

株式や債券などの指数を構成する銘柄を機械的に買い、値動きをその指数に連動させるため、投資に関わる人や投資対象のリサーチが少なく済むこともあり、コストが低くできます。

そのため、リサーチを重ね銘柄選定をしてより高い収益を狙う「アクティブ投信」に比べコストが少なく済み、投資家が投資信託を保有する期間に負担する「信託報酬」も低く設定できます。

また、同じ理由により投資信託の買付手数料が無料である場合が多いです。

なぜインディックス投信を選ぶ人が増えている?

先程のような理由から、信託報酬が低めに設定されていたり、投資信託の買付手数料が無料であったりするインディックス投信を選ぶ人が増えています。

もう1つの理由は、政府の後押しもある「つみたてNISA」で積立できる投資信託の信託報酬を一定水準以下と制限したところにあります。

例を挙げると、国内株のインディックス投信の場合0.5%以下に限定されています。

他にも、販売手数料はゼロ(ノーロード)であることが金融庁より指定されているなど、長期投資向きの投資信託を投資家が選べるように配慮されています。

このように、つみたてNISAで運用している投資家は選択肢としてインディックス投信が複数並んでいるため、比較した際に投資先としてインディックス投信を選ぶ人が増えているのではないでしょうか。

インディックス投信と長期積立投資の親和性

高コストになりがちなアクティブ投信に比べ、インディックス投信は信託報酬が低く、低コストな投資信託になります。

また、投資対象である指数自体の動きをみていれば、投信の運用状況が確認しやすく、分かりやすいのも特徴です。そのため、長期で積立投資をする場合に選ばれやすい商品になっています。現物の株や債券と比べ少額で毎月積立が可能で信託報酬も低いとあれば、長きに渡る運用のパフォーマンスに及ぼすプラスの影響が大きくなります。

また、指数に連動しているので、その指数自体が多数の銘柄に分散されているため分散投資にもなります。指数自体を見ていれば、運用状況が分かりやすい点も大事ですね。

しかし、コモディティ(商品)に投資する「コモディティ指数」のように原油や砂糖・金などに投資するものや、外国の不動産投資信託に投資する「外国REIT」などのように、リスクが高めの指数があるので要注意です。

長期投資をする上で気にしたい、信託報酬とは?

信託報酬とは、投資家が投資信託を保有中に信託財産から間接的に引かれる費用が「信託報酬」です。これは運用にかかる費用、運用報告書の作成・発送費、資産の保管のための費用などを賄うために引かれています。

運用資産全体から引かれているため、運用中はあまり信託報酬がかかっている実感が湧きませんが、信託報酬が高いほど運用全体のパフォーマンスを下げる要因になります。

簡単な例を挙げると、年利回り3%のインディックス投信に投資した場合、信託報酬が1%かかるとすると、実質利回りは2%まで低下します。

このように、信託報酬が運用に及ぼす影響はかなり大きいです。長期投資の場合はより運用成績に及ぼす影響も大きくなりますので、投資する前に必ず確認しましょう。

投資信託にかかるコストについては、詳しくは一般社団法人 投資信託協会HPの「投資信託のコスト」をご参照ください。

自分なりに納得して、投資をしましょう

長期で積立する場合、コアな資産としてインディクス投信で積立するのは良い戦略ではないでしょうか。ただし、インディックスといっても指数によってはリスクが高めのものがありますので注意が必要です。

ご自身のリスク許容度(自分がどれだけの値段の上げ下げに耐えられるか)をよく考えてから選びましょう。

また、指数によっては中身が投資対象としてイマイチなものが含まれているものもありますので、指数選びも重要です。

指数や、投資の中身をどう選ぶかの判断材料として、以下を参考に選んでみてはいかがでしょうか。

  1. 自分が内容を理解できる指数を選ぶ
  2. 指数が同じでも、純資産総額が順調に増えている投信を選ぶ
  3. 指数が同じでも、手数料や信託報酬が低い投信を選ぶ
  4. リターンの源泉は何かを確認する(価格の上昇や配当金等)
  5. 過去の運用成績は、参考程度で過度に信用しない
  6. 最終的に、自分が納得してその投信を買えるかどうか

ご自身でその指数の今までの実績を調べる、指数の中身を調べるなどして、自分なりに考えて納得して投資できると良いですね。