近頃は、皆さんの周りでも「うちのパパ、育休を取った!」という声を聞く機会が少しずつ増えてきたのではないでしょうか。
厚生労働省ではパパ側の育休取得率について「2025年に30%」(※1)という高い目標を掲げているものの、実際のところ「令和元年度では7.48%」(※2)とまだまだ低い数値となっています。
パパ側が育休制度を利用しなかった理由(※1)に、「会社で育児休業制度が整備されていなかったから」「職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だったから」などが挙げられています。
ただ育休制度は利用する要件を満たしていれば、法律によって原則取得できる権利です。
この記事を通じて制度の内容を理解し、ご自分の家庭ではどのように取り入れるべきか、ぜひ参考にして頂ければと思います。
パパは2回育休制度が使える?!
厚生労働省によると、パパ側が育休を取るタイミングは、ママの「産後休暇中(子の出生後~8週間以内)」に取ることが最も多くなっています。(※1)
実は条件によって、パパが2回目の育休を取得できること(※3)は知らない方も多いのではないでしょうか。
ママが産休後、育休を取得するのと同様、パパの育児休業は原則1回までです。
しかし、ママの産後休暇中にパパが育児休業を取得した場合、ママの産後休暇以後、再度パパが育児休業を取得できます。
つまり、ママの産休期間中と育休期間中、合わせて2回パパが育児休業を取れるのです!
なお、パパが2度目の育休を取得する要件は下記要件1・2を満たしていることが条件です。
- 子の出生後8週間以内に育児休業を取得していること
- 子の出生後8週間以内に育児休業が終了していること
産後のママの身体を労わり家事・育児の時間が確保できるだけでなく、育休期間中の育児に関われる時間が増えるのは嬉しいですね。
育休が1歳2ヶ月まで延長できる?!
パパママがともに育児休業をする場合に、原則子が1歳までの休業可能期間について、1歳2か月にまで延長される制度があります。(「パパママ育休プラス」(※3))
たとえばママ側は通常通り1歳までの休業ですが、ママ側の育休途中でパパ側が育休取得する場合、パパ側は子が1歳2ヶ月になるまで育休を取得できます。
ただし1歳を超えて育休を取っているのはパパ側のみになり、ママ側も1歳2ヶ月まで延長できるわけではありません。また、1人あたりの育休取得可能最大日数(産後休業含め1年間)は変わりませんのでご注意ください。
パパ側がより長く育休を取得できることによって、ママ側の仕事復帰や保育園デビューのサポートができるかもしれませんね。
下記要件1~3を満たした場合には、この「パパママ育休プラス」が使えます。
- 配偶者が子が1歳に達するまでに育児休業を取得していること
- 本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
- 本人の育児休業開始予定日は、配偶者がしている育児休業の初日以降であること
「パパママ育休プラス」について問い合わせをしたい場合は、お住まいの都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ連絡してみましょう。
まとめ
いかがでしょうか。
パパ側が育休を取ることで、家庭の家事・育児、ママの仕事復帰等のサポートをできることが見込まれます。
とはいえ、両者が育休を取ることで収入がさらに減ってしまうので、ご自身の家庭に合わせて参考にしてみてくださいね。
・参考資料
※1 出典:「男性の育児休業取得促進等に関する参考資料集」厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000710268.pdf(2021年4月29日利用)
※2 出典: 「「令和元年度雇用均等基本調査」結果を公表します」厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-r01/06.pdf(2021年4月29日利用)
※3 出典: 「両親で育児休業を取得しましょう」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000169713.pdf(2021年4月29日利用)