みなさんは「貯蓄」していますか?
貯蓄と一言にいっても、いろいろな貯め方があります。
普通預金や定期預金、貯蓄型の生命保険、投資信託など…。
今日はたくさんある貯蓄方法のなかでも、「自分でお金を貯めるのは苦手!」という会社員の方にお勧めしたい方法をご紹介します。
それは「財形貯蓄制度」です。
お勤め先が制度を導入していない場合もありますので、利用できる方が限定的になってしまいますが、メリット・デメリットを含めて紹介していきたいと思います。
財形貯蓄制度とは
厚生労働省によると、「財形貯蓄制度」とは勤労者財産形成促進制度(財形制度)のひとつで、勤労者(従業員)が住宅取得や老後の資産形成などを目的とした貯蓄を行う際に、事業主(企業)や国がその資金づくりを支援する制度のことをいいます。
財形貯蓄制度は、企業が従業員に代わり、給与から天引き預金する方法で貯蓄を行う制度です。
(出典:厚生労働省ホームページ 「財形貯蓄制度」2021年2月20日利用)
では、財形貯蓄制度を導入することによって、どんなメリットがあるのでしょうか?
財形貯蓄制度導入のメリット
企業側には福利厚生の充実などが挙げられますが、ここでは従業員にとってのメリットを3つ紹介していきたいと思います。
給与天引きにより、無理なく貯蓄ができる
私が財形貯蓄制度の一番のメリットだと感じているのは、貯蓄したい額が「給与天引き」される点です。
私自身、自分で管理をしながら貯蓄をするのは苦手で、学生時代はアルバイトで貯めたお金を毎月使いきってしまうくらい管理が下手でした。
財形貯蓄制度は、貯めたい額が毎月の給与から天引きされ、貯蓄されていきます。
そのため、振り込まれた給与から貯蓄用に管理する手間がなくなりますし、私のように「口座にあると使ってしまう」という方にも、あらかじめ貯蓄額が引かれて振り込まれるため無理なくコツコツと貯蓄することが可能です。
利子の非課税といった優遇措置がある
財形貯蓄制度には、3つの種類があります。
- 一般財形貯蓄:積立目的を問わない、自由な用途で貯められる貯蓄
- 財形年金貯蓄:老後の生活資金のための貯蓄
- 財形住宅貯蓄:持家取得を目的とした貯蓄
FPサテライト株式会社作成(厚生労働省ホームページ 「財形貯蓄制度」を基に作成。2021年2月20日利用)
このなかで、非課税措置があるのは「財形年金貯蓄」と「財形住宅貯蓄」です。
元利合計550万円(財形年金貯蓄のうち、郵便貯金、生命保険又は損害保険の保険料、生命共済の共済掛金、簡易保険の掛金等にかかわるものについては払込ベースで385万円)から生ずる利子等が非課税とされています。
老後やマイホーム取得にむけて貯蓄を検討されている方には、非課税制度が受けられるのは嬉しいポイントではないでしょうか。
企業によっては、財形貯蓄に対する支援制度を採用している
福利厚生の一環で、財形奨励金を採用している企業もあります。
たとえば、年間の積み立てた額に対して5%奨励金がつく、という企業もあります。
その場合、年間100万円を貯蓄すると仮定すると、年間の積み立て額100万円 × 奨励金5%=105万円 になります。
100万円を貯めたら5万円もつくと思うと、財形貯蓄制度を利用するメリットがより高まりますね。
ただ、財形貯蓄制度を導入しているすべての企業がこうした支援制度を採用しているわけではありません。
お勤め先が制度を導入している場合は、支援制度の有無もあわせて、どのような条件なのか確認してみましょう。
財形貯蓄制度のデメリット
一方で、デメリットはどんなことがあるでしょうか。2つ紹介していきます。
積立期間中は、一定期間引き出すことができない
定められた一定期間は、積み立てた口座からお金を引き出すことができません。
「一般財形貯蓄」は3年以上、「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」は5年以上の積立期間が必要になります。
また「一般財形貯蓄」は貯蓄開始後1年経過すれば払い出しも可能ですが、「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」は、その目的以外の払い出しをした場合、利子等の非課税措置がなくなってしまいます。
無理なく貯めていくために、積み立てる金額については家計を圧迫しない程度の金額を設定する必要がありますね。
勤め先が制度を導入していない場合、利用することができない
財形貯蓄制度には個人での加入ができないため、勤め先の企業や団体が制度を導入していないと利用することができません。
また、法人の取締役や執行役員は対象外となり、企業の社長といった経営者は利用することが出来ない制度です。
転職などで勤めていた会社を退社する場合も、転職先が財形貯蓄制度を導入していれば所定の手続きを経て継続することができますが、ない場合は解約となってしまいます。
ご自身が無理なく貯められる方法を
ご自身で貯蓄を管理することが苦手な方や、面倒をかけずにラクして貯めたい!という会社員の方向けに、財形貯蓄制度を紹介しました。
なお、財形貯蓄制度のない企業にお勤めの方には、「無理せず貯められる」という点で「定期預金」がお勧めです。
定期預金も原則として途中解約ができません。あらかじめ貯金したい額を決め、給料日にその額を定期預金に移すことができれば、財形貯蓄と同じように「自然と貯まっていく貯蓄」が可能です。
貯蓄は様々な方法があり、人によって向き・不向きもあります。
ひとつの貯蓄方法として考えてみてくださいね。