「ESG投資」という言葉を皆さんはご存知でしょうか?
ESG投資は数ある投資方法の中の1つであり、ここ数年で注目を集めています。
しかし、投資に馴染みのない方にとっては、初めて聞く言葉かもしれません。

投資とは

そもそも「投資」とはどのようなものでしょうか?

投資とは、資金を必要としている企業や、需要が高まりそうなものに一定期間手元の余分な資金を投じ、その価値が増加した場合は利益を受け取る、その価値が減少した場合は損失を被ることです。

つまり、ある程度のリスクを取って資金をさらに増やそうとする行為です。

企業に投資をした場合、企業が投じられた資金を利用して企業価値を生み出すことができれば、投じた資金以上の価値をリターンとして得られる可能性があります。

しかしながら、資金を投じてもその企業が予想していた価値を生み出せずリターンを得られないこともあり、それが投資のリスクとなります。

このリスクを最小限に抑えるために、様々な投資手法が利用されています。

最も主要な投資方法は、業界や世界の動向、全体の経済を加味しつつ、各企業の財務諸表を元に将来的な企業の価値を算定することです。

確かに、財務諸表も有効な判断材料となりますが、企業の価値は財務指標だけで測れるものではありません。

そこで、財務指標以外でも企業の価値を評価しようとする投資方法が登場しています。
その一つが「ESG投資」です。

ESG投資とは

ESG投資の「ESG」とは、Environmental(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字を取った言葉です。

単なる投資ではなく、この3つの視点から良い取り組みを行なっていると考えられる企業に投資を行います。

ESG投資が注目されるようになったきっかけは、国連責任投資原則(PRI)が提唱されたことです。
国連責任投資原則には、投資判断にこの3点を含めることで、社会、環境的問題の改善に加え、投資リスクの低下からリターンの最大化も期待できることが明記されています。

ESG投資の有効性を証明する研究や社会的問題に取り組む企業は増加傾向にあり、今後市場規模も拡大するものと考えられます。

ESG投資で社会貢献

社会貢献と聞くと、寄付のようなイメージを持つ方もいるかもしれません。

寄付の場合は、資金提供者の善意によるものであるため、基本的に金銭的なリターンはありません。しかし、ESG投資では投じた資金のリターンの最大化と社会貢献を同時に行うことができます。

ESG投資の考え方では、利益の追求と社会貢献は必ずしも相反するものではないのです。

投資を考えられている方へ

投資は資産運用の手段であり、その最終的なゴールはより多くのリターンを得ることでしょう。
しかし、投資の判断基準によっては、投資した資金が価値創造のために最大限に活用されないこともあります。
さらに、誤った判断基準によって社会問題を悪化させてしまう可能性もあります。

先ほど紹介したESG投資のような社会的な指標を用いる投資によって、社会問題悪化のリスク、および投資リスクを低減させることができるかもしれません。

今後投資を行う機会があれば、「ESG投資」も選択肢の1つに含めてみてはいかがでしょうか。